台湾と米国がインド太平洋地域の民主的統治について話し合う第3回会議(U.S.-Taiwan Consultations on Democratic Governance in the Indo-Pacific region)が15日、米ワシントンD.C.で開催された。台湾からは、外交部の曽厚仁政務次長(=副大臣)が訪問団を率いて参加し、米国側の代表である国務院民主主義・人権・労働局のスコット・バスビー(Scott Busby)次官補代理と議長を務めた。また、行政院政務委員の羅秉成氏、唐鳳(オードリー・タン)氏、それに行政院性別平等処、経済部投資業務処、法務部簾政署などの政府機関の代表らがリモート方式で参加した。双方は、コロナ禍における人権擁護やジェンダー平等の促進、企業と人権、労働権、問責システムの促進、市民社会の支持などの議題について話し合った。会議には全米民主国際研究所(NDI)、国際共和研究所(IRI)、全米民主主義基金会(NED)、そして台湾民主基金会など台湾と米国の市民社会団体も招きを受けて参加した。
曽厚仁政務次長は冒頭の挨拶で、台米は2019年にこの対話のメカニズムを立ち上げ、第1回会議を開催したと紹介。双方はインド太平洋地域で民主主義や人権擁護を推進するためにいかにして協力を深められるかを議論し、この2年間でさまざまな成果をあげてきたと評価した。曽政務次長はまた、強権統治の勢力拡張はインド太平洋地域の発展に脅威を与えていると指摘。民主国家は警戒意識を高めて団結し、協力する必要があると強調した。また、台湾は民主主義、ジェンダーの平等、報道や信仰の自由などで成果をあげ、台湾に拠点を設置する海外の非政府組織も増えていること、台湾に特派員を置く海外メディアも増えており、現在は50名を超えることなどを説明した。
台米双方は今回の第3回会議で、直近の成果と今後協力を優先すべき領域などをファクトシートにまとめ、繁体字中国語版と英語版を公開している。また、第3回会議の関連イベントとして、米国の全米民主主義基金会(NED)と台湾の台湾民主基金会が米東部時間11月16日にオンライン討論会を開催し、インド太平洋における民主主義の強靭性強化に対するインデペンデント・メディアの役割を、台米協力の機会という視点から議論した。